風船の歴史を知ろう
お祭りやフェスティバルなど、さまざまなイベントを華やかに彩る風船(バルーン)。今ではすっかり身近になった風船ですが、いつ頃から私たちの暮らしに登場したのでしょうか。 今回は、風船の歴史についてご紹介しましょう。
ゴム風船の原料となるラテックスの歴史
一般に「ゴム風船」と呼ばれているものは、正式名称を「ラテックスバルーン(Latex balloon)」と言います。ラテックスとは、ゴムの木の樹液。ゴムの木に傷をつけると流れ出てくる粘り気のある液体です。
もともとは「ラテックス=ゴム」だったのですが、その後、石油から作られる「合成ゴム」が多くなったため、天然ゴムで作られた風船を「ラテックスバルーン」と呼んで区別するようになりました。
風船の起源と歴史
ゴムの木から採れた生ゴムは、かなり古くから人間に利用されています。クリストファー・コロンブスが第2回目の航海(1493~1496年)の際に、ハイチの原住民が遊んでいた、黒くて弾力性のあるボールを持ち帰ったのが、ヨーロッパに生ゴムが伝わった始まりだと言われています。
その後、科学の実験に生ゴム製気球が使われるようになり、玩具、装飾具としてのゴム風船なども作られるようになりました。
日本では、江戸時代末期の横浜や大阪で風船を売った記録が残っています。この頃のゴム風船は、今のラテックスバルーンと違ってゴムがぶ厚く、専用の器具でしかふくらませることができませんでした。
そして約80年前、アメリカの科学者ニール・ティロットソンによって、風船に革命がもたらされます。猫形に切り抜いたボール紙をラテックスに漬け、耳のある猫型のかわいらしい風船を作ったのです。「キャットバルーン」と名付けられたこの風船を、ボストン愛国記念日に販売したという記録が残っています。
バルーンアートの歴史
ゴム風船の長い歴史に較べると、バルーンアートの歴史は浅いと言えます。ホームパーティーのデコレーションとして、アメリカの主婦達の間で40年程前から始まったとされています。
日本ではジャグラー(大道芸人)が、パフォーマンスの一種としてバルーンアートを披露することが多いため、特別な技術が必要なものだと思われがちです。
しかし元々は、ホームパーティーの際に部屋を飾りつけるために用いられた、手軽でアットホームなアートなのです。
そのため、簡単なモチーフであれば少しの練習で作れるようになります。また、バルーンアートに使用する風船は1個10円前後と安価であるため、チャレンジしやすいと言えます。
パーティーなどで披露したり、子どもを楽しませるパフォーマンスとしてバルーンアートを覚えてみてはいかがでしょうか。
現在のようなゴム風船が登場してから約一世紀が経過し、風船は世界中で愛され、さまざまなイベントに欠かせないポピュラーな存在になっています。
それは幸せを象徴するようなカラフル&ハッピーな形状のおかげなのかもしれません。
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