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風船についている粉は安全?

風船についている粉は安全?

ラテックスバルーン(ゴム風船)の表面には、粉のようなものがついています。この粉の成分は何なのか? 風船を膨らますときに口に入れても、健康上の問題はないのでしょうか? そんな疑問を持っている方も、少なくないと思います。風船は、お子さんが手にすることも多いものですから、心配になるのも無理はありません。ここでは風船についている粉について、詳しくご説明します。

主に使われているのは「タルク」

風船についている粉で、最も一般的なのは「タルク」です。タルク(Talc)とは、滑石という鉱石を、細かく粉砕したもの。滑石は、お絵かきに使う「ロウ石」と呼ぶほうが、なじみのある人が多いかもしれません。すべすべと滑らかで、しかも脂肪分を含むのでしっとりとした質感があります。タルクは無機粉末で、科学的にも安定した物質。人体に悪影響をおよぼすことがなく、そのため幅広い用途に使われています。例えば、ベビーパウダーや、女性が使うおしろい、口紅にもタルクが使われています。タルクのほかには、雲母(マイカ)粉、デンプンなどが使われる風船もあります。

何のために粉がついているの?

タルクなど風船についている粉を、「離型剤」または「防着剤」と言います。ラテックスバルーンを製造する過程で、ゴムを風船の型からはがれやすくしたり、製品になった風船同士が貼りついてしまうのを防ぐために使われます。わかりやすく言えば、麺における「打ち粉」のような存在。ラテックスバルーンには欠かせない脇役です。

「タルク」って安全なの?

人体に無害で安全な材料として、化粧品などに幅広く使われるタルク。ですが、中には「タルクフリー(タルク不使用)」をセールストークにしている化粧品があります。タルクは無害なはずなのに、不使用をうたっているのはなぜでしょう?それは、かつてタルクが不純物としてアスベストの一種を含むことがあったからです。タルクの原料である滑石は、透角閃石(トレモライト)という鉱石の近くで形成されることが多く、粉砕する際にトレモライトが混じることがありました。このトレモライトがアスベストの一種とみなされる事から、一時タルクまでが発がん性物質だと言われるようになってしまったのです。

現在では対策がなされて、化粧品など口に入ることのあるものに使われるタルクは、トレモライトを含まないものを使用することが定められています。風船に使われているタルクも基準に合わせたものになっているので、口に入ることがあっても安全です。

アレルギーのある場合は気をつけて

多くの場合、風船についている粉は人体にとって無害で安全なのですが、例外としてアレルギーのある方だけは注意が必要です。天然ゴムなどラテックスアレルギーがある場合は、アレルギー症状が出る場合があります。デンプンを離型剤・防着剤に使っている場合も、原料の種類(麦など)によってはアレルギーを引き起こす場合があります。アレルギーのある方は、風船と楽しく付き合えるように、成分表示を十分チェックするようにしてください。

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