危険!間違えないで!ヘリウムガスで声が変わる遊び
ヘリウムガスを吸って、意識不明の重体に陥ったり、死亡してしまったりといった痛ましい事故が起きています。ヘリウムガスは、無味、無臭、無毒といわれる希ガスですが、なぜそんな事故が起きてしまうのでしょうか。
事故の原因としてあげられるのは、ヘリウムガスについての認識不足です。
ここでは、ヘリウムガスで声が変わる仕組みや注意点についてご紹介します。パーティーなどでヘリウムガスによる事故を起こさないよう、正しい知識を身に着けておきましょう。
科学的検証 ヘリウムガスを吸うとなぜ声が変わるのか
そもそもどうしてヘリウムガスを吸うと、声が高くなるのでしょうか。人間は、のどの奥にある「声帯」というひだ状の器官に息を通して振動音(声)を発生させ、その振動音を声道(のど)に響かせることで、外に聞こえる声を発しています。
声の高さは、声帯の形状や声道の長さで変化しますが、声帯から発せられた振動音が声道を通るスピードが速いほど、高い声になると言われています。
ヘリウムガスは空気よりも軽く、密度の低い気体ですので、声道内にヘリウムガスが充満すると、その中を通る振動音(声)は、空気中より早く進むことができます。
一般的に空気中に音が伝わる速さは約330m/秒と言われていますが、ヘリウムガスの中ではこれが約3倍となるため、高い声に聞こえるのです。
ヘリウムガスを吸うことによる危険性について
ヘリウムガスは無味、無臭、無毒の希ガスですので、吸い込んでも血液中に溶けることが無く、人体に影響を及ぼさないと言われています。しかし、ヘリウムガスは酸素を含まないため、多量に吸い込むと一時的に酸欠状態になり、呼吸困難を引き起こす場合があるのです。これはヘリウムガスに限らず、酸素を含まない気体を多量に吸い込むと起こりえることです。
こういった事故を防ぐために、ジョークグッズとして売られている変声用のヘリウムガスには、20%程度の酸素が含まれています。しかし、風船(バルーン)を膨らませるためのヘリウムガスには、酸素が含まれていませんので、絶対に直接吸い込んではいけません。
バルーン用のヘリウムガスと変声用のヘリウムガスは、酸素の含有量が異なるということをしっかりと認識しておきましょう。
ヘリウムガスは、無毒で安全なガス
ヘリウムガスは前述した通り、無毒の気体ですので、風船用のガスボンベからヘリウムガスが漏れて、多少吸い込んでしまっても特に問題はありません。
ただし密閉された空間に多量のヘリウムガスが充満した場合は、酸素濃度が下がる可能性があります。使用する際は、十分に換気を行いましょう。
また、引火や爆発といった危険性もありませんが、火気に近づけたり、直射日光が当たる場所に放置したりすることでガスボンベ内の温度が高まり、ガスが噴出する恐れがあります。保管場所の温度管理には、注意が必要です。
風船用のヘリウムガスに関する知識のない人が参加するイベントでは、ヘリウムガスを勝手に使用できないように、責任者がしっかりと管理しなければなりません。実際に、変声用のヘリウムガスとの違いを知らずに直接吸い込んでしまい、死亡したケースも報告されています。
楽しいパーティーやイベントが事故で台無しになってしまわないよう、ヘリウムガスに関する正しい知識を身に着けて、安全に楽しんでください。
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